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ガンプラ製作講座 #1合わせ目処理&後ハメ加工
昨今の社会情勢のためかガンプラなどのプラモデルを組んだり本格的に塗装してみたいと言う方が増え、
以前から度々製作方法のリクエストを頂くので今回からエアブラシを使った全塗装の工程をまとめてみたいと思います。
第一回では仮組~合わせ目処理&後ハメ加工、第二回では表面処理&サフ吹き、
第三回はエアブラシを使った基本塗装、第四回で仕上げを説明していく予定です。
今回はパチ組みや部分塗装から全塗装にステップアップという方向けなので大きな改修などはせず
ほぼ素組みで解説していきたいと思います。
塗装していくキットはHGUCのRX-78-2ガンダムです。(詳しいレビューはこちら)
HGUCでパーツ数も手頃ですし価格も1,100円と安価。
ただ合わせ目などもそれなりに出るため初めて合わせ目消しや全塗装を試してみたいという方にピッタリなキットです。
まずはパーツを一通りチェックして欠品などが無いか確認してから組み立てていきます。
組み立てや今回の加工に使う基本的な工具。
ニッパー、ピンセット、デザインナイフ、アートナイフです。
(自分の場合ナイフは2種使っていますがどちらか片方で構いません)
ニッパーはパーツの切り出し、ピンセットは細かいパーツやシールを掴む時に使い、
デザインナイフ&アートナイフはゲート跡などの処理や細かいパーツの加工などに使います。
ピンセットはシールを貼るぐらいなら何でも良いのですが、
安いピンセットだと剛性が足りず安定して掴めませんし
小さいパーツを掴んだり塗装時のホコリを取ったりする場合しっかりと先端が合う精度が高いピンセットが必要になるので
ある程度品質の良い精密ピンセットを用意した方が良いです。
ニッパーですが基本的に切れ味は価格と比例します。
ゴッドハンドのアルティメットニッパーなどは値段が高く、片刃式で刃が薄いため取り扱いには注意が必要ですがその分切れ味は素晴らしく
パーツがヌルっという感じでカット出来、非常に美しく仕上がります。
ただ全塗装をする場合、ゲート部分はヤスリがけをして塗装するためゲート跡そのものの綺麗さはそこまで気にしなくて良いです。
かと言って安いニッパーを使うと切るというより押し潰すような感じになってしまうので
2000~3000円クラスのプラモデル用薄刃ニッパーを使って作業するのが無難だと思います。
ナイフの違いですが、デザインナイフは刃が薄く小さいため細かい作業に向いています。
モデラーズナイフPRO(画像はタミヤの物ですがカラーが違うだけでオルファのアートナイフプロと同じです)は
刃の耐久性が高く、刃の形状自体も色々な物に変更可能なので片方でも良いですが両方あると便利です。
アートナイフは画像のように色々な刃があり様々な用途に使えますが
一番下の曲刃は刃がカーブしていてゲート等に点で接するため綺麗にカットしやすく使い勝手が良いです。
パーツの切り出しですがまずはゲートを数ミリ残してカット。
そしてさらにゲートギリギリでカットする2度切りをすると綺麗に仕上がり表面処理も楽になります。
切り出す時ですが、ゲート跡は余っても良いですが抉らないよう注意します。
余っている場合ヤスリで削るだけで良いのですが、抉ってしまうとパテで埋めてから削る必要が出て手間が増えます。
ゲート跡はアートナイフなどでさらにギリギリまで処理する事も出来ますが
全塗装をする場合表面処理でヤスる事になるのでそこまでやらなくても十分です。
全塗装する場合、パーツをまたバラす事になるので
可動や保持などに影響がなさそうなパーツのダボピンは先端をちょっと斜めにカットしておくと抜き差しがしやすくなります。
仮組が終わりました。
一度組んで色が足りない部分や合わせ目が出る場所などをチェックしておきます。
説明書などを見ながら確認していくと
前腕や胸部など合わせ目がディテール化されている所も多いですが、合わせ目や塗り分けが必要な所がそれなりにありました。
さらに言えばキットではつま先に肉抜きがあるのですが
今回は極力パテやプラ板などを使わずストレートに仕上げたいので特に手は入れません。
それと見上げた時や脚を動かした場合、リアアーマーの黄色いパーツが見えて結構気になります。
このあたりも塗り分けが必要そうです。
武器類もライフルとバズーカに合わせ目が出るので今回はそちらも接着して処理します。
合わせ目の接着ですが今回は自分が使っている3種類の方法を説明したいと思います。
自分は合わせ目を消す際プラモデル用接着剤2種(通常の物と流し込み)と瞬間接着剤(削りやすい物)をそれぞれ使っています。
画像はタミヤの物ばかりですが、クレオスやガイアノーツなど他のメーカーからも同じタイプの接着剤が出ていて同じように使えます。
まずはライフルの合わせ目をタミヤセメント(普通のプラモデル用接着剤)を使って処理していきますが、
パーツがスコープとフォアグリップを挟み込む構造になっているため
まずはこの2つのパーツをヤスリで表面処理しておきます。
普通の部分は紙やすりなどで良いですが
紙やすりが入りにくいスコープが細くなっている部分はデザインナイフの先でカンナがけするようにスライドさせ削ります。
もちろん先の細いヤスリなどがあればそちらを使います。
接着する時は接着剤を両面に塗り、乾燥する前に貼り合わせます。
貼り合わせる際は忘れずにスコープとフォアグリップをセットしてから接着します。
こちらのプラモデル用接着剤は樹脂が混ざっているタイプなのでとろみがあり、作業時間に余裕があって失敗しにくいです。
反面乾燥時間が長く、乾燥が中途半端だと後々接着部分がヒケて凹んでしまう事があります。
作業前に乾燥してしまったら2度3度塗り重ねてから貼り合わせます。
ライフルは基本モナカ分割になっていますが、後端部などは段落ちモールド化され合わせ目が出ないようになっています。
こういったモールドになっている所に接着剤が付くと汚くなってしまうので
この部分には接着剤を付けないように気をつけます。
貼り合わせて指でぐっと押すと画像のように接着剤と溶けたプラがムニュッとはみ出します。
こちらがしっかり乾燥してからヤスって処理する訳ですが
乾燥時間は気温などにも前後しますが最低2,3日ぐらいは置いたほうが良いかも。
大量に接着剤を使ってしまった場合、冬場だと一週間ぐらい乾かしてもヒケる時があります。
続いてバズーカの接着を行います。
こちらはシンプルなモナカ構造ですがグリップがやはり挟み込みのためそちらは先に表面処理してから接着します。
このバズーカは瞬間接着剤で合わせ目を処理していきます。
基本的に通常のプラモデル用接着剤と使い方は変わらず、瞬着を塗り貼り合わせるだけです。
瞬着にも色々な種類がありますが、合わせ目消しに適しているのは通常の粘度~ゼリー状で
細かい隙間に流れ込んでいってすぐ乾燥する流し込みタイプの瞬着は向いていません。
瞬着を使う場合、乾燥時間が短くて済むのですが反面コストが高め。
それと瞬着の種類によって硬さがまちまちで、硬すぎる瞬着を使った場合削り難くプラとの硬度差で表面処理が面倒になる場合があります。
ですが最近はイージーサンディングタイプなど削りやすい模型用瞬着が色々出ているのでそちらを使う事でカバーできます。
また瞬着は硬化促進剤を使う事で硬化時間をさらに短縮できます。
接着したパーツはクリップなどで固定しておくと合わせ目が開く心配がありません。
(クリップにマスキングテープを貼っているのは傷防止の為です)
続いて流し込みタイプのプラモデル用接着剤を使った合わせ目消しです。
こちらはコストも安く、乾燥時間も短めなのですが反面扱いが難しい所があり
モールドを伝ってうっかり接着剤が押さえてる指などに付着してしまうとそこから接着剤が一気に広がり
パーツに指紋型のスタンプがべったりと付いてしまったりしますし、
ライフルパーツなどのように可動させるパーツを挟み込む場合、そちらの可動ピンにも接着剤が流れ込んでしまいます。
なのでこちらは慣れるまであまりおすすめはしませんし、
モールドが多かったり可動部のあるパーツにはやめておいた方が無難です。
やり方ですが組んでいたパーツをわずかに開き、その隙間に接着剤を流し込みます。
あっという間に乾燥するのですぐパーツを押さえつけると画像のように溶けたパーツのプラがむにゅっとはみ出し合わせ目を埋めてくれます。
続いて頭部ですが、こちらは側面に合わせ目が出るものの
そちらを接着してしまうとツインアイや隈取の塗り分けが難しくなります。
内部はこのような構造になっているため
接着した頭部に後からツインアイやマスクパーツをはめ込めるようにする後ハメ加工を行います。
まずは赤いパーツ(A3)の後ろ側にあるピンをノコなどで切断。
こういったパーツの切断はニッパーなどを使うと変形してしまうため
エッチングソーやモデリングソー(画像はシモムラアレックのハイパーカットソーです)を使うと綺麗に切り取れます。
カットするとこのような形になりますが赤いパーツがヘルメットのピンで固定されているので
下からはめ込めるよう軸穴をC字にカットします。
続いてヘルメットのパーツ(B19)にあるリブが下側から取り付ける際邪魔になるのでナイフなどで切り取ります。
そうするとヘルメットを接着した状態でも下側からマスクパーツを取り付けられるようになります。
これで塗装がかなり楽になりました。
何度かスムーズに差し込める確認してからヘルメットパーツを接着しました。
これで頭部の加工と合わせ目の接着は終わりました。
次回は表面処理とサフ吹きの説明をしていこうと思います。
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